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『九十九十九』
正月に衝動さんから薦められるがままに借りて、やっと読み終わりましたよ(´∀`) 総ページ数600ほどもある長編小説。内容のあらすじとかはリンク先にちょっと書いてありますんで割愛。 この小説、なんというか物凄い破壊力を持つ作品でした。 帯の文句にもありますが、圧倒的文圧で語られる「世紀の傑作」という言葉はまさにふさわしいんじゃないかと。 例えば文章の書き方。 この著者“舞城王太郎”という方の持ち味なんでしょう。通称「舞城節」が炸裂してます。アクと癖の非常に強い文体で、頭の回転が鈍い時に読むと眩暈がするくらいです。しょっちゅうでてくるのが、いわゆる探偵と犯人のイタチごっこ。「探偵は犯人がこうするだろうと推理する。けれど犯人は探偵がこうするだろうと推理することを予想して裏をかいている。そこで探偵は犯人が探偵がこうするだろうと推理することを予想して裏をかいているだろうことまで推理する。だが犯人は…」といっていつまで経っても裏か表か、真相は分からないといったような堂々巡り。この部分は真面目に読むと頭痛くなるんで、軽く流しながら読むのが吉。 そして登場人物の設定。 この物語に果たして設定という言葉がどれほどの意味を持つかは分かりませんが、とにもかくにも主人公である九十九十九に関しては、強烈なまでに練り込まれています。何度も何度も主人公は自分のことを考えるわけですが、その都度間違った答えを導いては悩み、苦しみます。もちろんその他にも主人公の彼女として多くの女性が登場し、彼女らとの激しい性描写とかもあるわけですが…、う~ん、ここらへんは激しくネタバレになるんで止めとこう。 後、驚愕すべきはその構成力。 俺自身が好む小説の条件の一つとして、確固たる構成力ってのが挙げられるんですが、この作品、構成という概念の構成からしてトリックがあります。特に中盤から終盤にかけて。なまじその構成を読み取ろうとして思考をめぐらすとページをめくる手が止まってしまうくらい複雑になってきます。全部で第一話から第七話まで分かれてるんですが、それ自体がすでに罠、みたいな。読んでて背筋がゾクッときました。 そのほかとしては、劇中に様々な人生観、哲学、思想、特別死論、小説内批評などが「舞城節」による破壊的な文体で語られていきます。 あと、作中には小説家清涼院流水のJDCシリーズに対するトリビュートと見られる部分も多々あるんですが、俺はそれらを知らないし、知らなくても読めました。まあそれらはむしろ九十九十九という主人公の物語の上での味付けぐらいの役しかないですし、「知ってればより楽しめるかもしれないけど、知らなくても問題なし」という位置づけなんで、無問題でしたね。 『九十九十九』は、総じて士沙的にその構成のパズル的要素がとても面白かったんですが、それに加えてやはり第六話での主人公が出した自身に対する答え、そしてそれに関連する印象深い数々のセリフが非常に頭に強く焼きついています。 年とったせいでしょうかね、昔読んでた富士見ファンタジア文庫などのライトノベルに比べて、こういったちょい重めのテーマを扱った小説の方が最近は面白く感じられるみたいです。無論、重め、と言っても十分にファンタジーな要素も含んでいますが。 それもまたとっつきやすいのでマル。 こんな読後感想を、この本を貸してくれた衝動さんに返させていただきます~ノシ
by lrue
| 2005-01-20 23:54
| 読本
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